tossy

アヒルが、ガーガー

セオリー

物事の優先順位をどうして見誤ってしまうのか、といつも自分を疎み、責めている。そこでふと自分から目を離し、知人や友人のことを思うと、明らかに「自分の優先順位」とは違う(あるいは、自分では到底できない順位付けを感じる)セオリーで動いているのを見たときに、僕はその人について「おもろいなぁ」「その偏り加減がこの人の魅力やなぁ」と感じることを思い出す。己のセオリーを己は疎んでも、ほかの誰かにとってアピールになっているのかもしれない。ダメであることは、必ずしも「悪い・良くない」とは同義ではない、と今は思うことにしよう。

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「俯瞰する視点を獲得しなさい」と言われ「あぁ、これは他人をサンプリングせよということなんやな」という意味で一応納得した。でも裏返せば(至極当たり前やけど)自分も誰かにとっての「サンプル」であるわけだ。僕を知る誰かに「ああいうやつが居てね、クズなんやけど、まぁ面白くなくはないよ」という程度の存在でいられれば御の字やし、そんなの「どうにでも思って頂戴」なのだから、自分で「サンプルとしての価値」を考えすぎるなんていうことは、やっぱりナンセンスなのだ。

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『君が思っているほど、世の中は君に興味がない』と言う姉の言葉は、墓場まで携えなきゃいけない至言。自分がナイーブで、カッコつけで、他人の目を気にしていることは、今に始まったことじゃないとすぐ思い出せる。

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やれることからやろう。喜んでもらえる親孝行や、お世話になっている友人に元気な姿を見せることや、好きな女の子を見つけて思いを伝えることは、今の僕にはまだ少し遠いこと。でも仕事して、自分の成すべきことにまず挑むことは、やれることのうちのひとつなんじゃないか。どうだろう、自分。

【定期ポスト】最近の曲々 (February, 2015)

悲観に逃げるという卑怯なことをどこまで続ければ気が済むのだろうと情けなさでいっぱいになるから、替わりに音楽へ逃げる時間を増やそうとしている二月。冬は苦手だ。彩る音楽に感謝を。

 

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time will tell - tofubeats with BONNIE PINK
Utada Hikaru / Produced by tofubeats / Vocal by BONNIE PINK

time will tell

time will tell

原曲にそこまで思い入れがあった訳ではなかったけど、tofubeats くんの「引き受けている」感じがすごくて、楽曲にあった説得力が倍増しているように感じる一曲。この企画アルバム自体が「音楽家」による「解釈について」という名前が付いているうえで、引き算で成立しているこのリミックスはすごく強さを持っていると思う。他の収録曲も(岡村靖幸も、浜崎あゆみも)そういう意味で聴き応え抜群。宇多田さんすごい。

 

こきゅうとす - 花澤香菜
作詞:ティカ・α / 作曲:ティカ・α / 編曲:やくしまるえつこ, 山口元輝 / Produced by やくしまるえつこ / やくしまるえつこ (dimtakt, programming, prc) 永井聖一 (g) 栗原正己 (b) 山口元輝 (ds, programming) 

こきゅうとす

こきゅうとす

花澤香菜の曲」という感じで聴く歌ではないと思うけど、やくしまるさんがこの曲を作ろうとしたときに見えた像がこの曲を作らしめたとするなら、なるほどと思えてくるような。もう終わるのか、これからなのか。陽気なのか、陰気なのか。まだ願っているのか、すでに諦めているのか。冬コミのブースでガンガン掛ける曲ではないとやっぱり思うし、コマーシャルな曲でもあんまり無いけど、やくしまるさんの楽曲のひとつとして、でも勇気づけられる。

 

NOW ON AIR - 赤い公園
Written by 津野米咲 / Produced by 蔦谷好位置

NOW ON AIR

NOW ON AIR

昨年出た彼女たちのアルバム「猛烈リトミック」のオープニングテーマで、MV 含めて女子推しな一曲やけど、リビドーがちゃんとコントロールされていて聴きやすくて気に入っている。実はすごい根暗な歌やけど、どこまでもポップ(誰も傷つかない、みんな楽しい)にラッピングされていて良い。バンド組んで演奏したら、女子高生にはきっと気持ち良いのだろう。

 

ハロー、グッバイ - charlot
Written, Produced and Mixed by Naoki Kono / Vocal by Cosame Nishiyama

東京で暮らす二人の女の子が紡ぐ物語から、マンガや音楽やデザインを作り出していく「ハロー、グッバイ」というプロジェクト。その第一弾として作られた楽曲。本当「テーマ」っていう言葉に相応しい、想像力や物語の背景へ思いを巡らせる一曲であると同時に、貧弱なくせに混乱している自分の物語をふと回想してしまう一曲。なんというか、トレンディだなぁという感想を、久々に持ったかもしれない。

 

Still Changing - Rhymester
Lyrics by Mummy-D, 宇多丸 / Produced by BACHLOGIC / Music Video Directed by tatsuaki

BL の「仄暗い場所から希望をうかがう」トラックに、変わり続けているということを今も変わらず(でもめっちゃカッコ良く、どこまでも男前に)明らかな確信を携えて歌い上げる、やっぱりすごい一曲。25 年経って更に自分たちのボリュームとターゲットを広げ続けるって奇跡みたいなことで、その事実を嫌らしくなく掲げる作品に仕立て上げるところも、恐れ入りますという気持ちでいっぱいになる。あと何が良いって、Rhymester の作品を聴くのが初めてという人に向けても、きちんと魅力が伝わるアジャストメントが徹底的になされていること。クリーンな楽曲やし、ラップの面白さも分かりやすい。サービス精神とポジティブネス、見習いたいです。

 

Get Wild 2014 - TM NETWORK
Words: Mitsuko Komuro / Music: Tetsuya Komuro / Guitar: Kazuhiro Matsuo / Produced by Tetsuya Komuro

Get Wild 2014

Get Wild 2014

これまで特に聴いたことなかったのに、昨年のライブ映像になぜかハマってしまい、ゴリゴリの小室 EDM をリピートしまくっている。ニコニコもアニメと合わせた MAD がたくさんあるし、原曲も含めてやっぱりカッコいい。ペラッペラの(褒めている)歌詞とか、みんな口ずさめるフレーズとか、かつての曲だったから気持ち良く浸れる楽曲性を僕は今も聴きたいと思うし、それをちゃんと調整して出してくれる大人たちが居るというのは、とてもうれしいこと。

せめて音楽だけは止めないで

「音楽を止めないで」

これしかない。踊るというのは、比喩じゃなく、そのものなんだ。

どうして踊れないの?
踊らなきゃ。

ら音楽だけは、止めないで。

お願いだから。 

NOW ON AIR

NOW ON AIR

どんな人からも愛されやすい
あの子は 毎日のように
幸せそうな
写真上げている

当の私には
夢も希望も遠いから
どうか どうか
Please Don't Stop The Music Baby!!

レディオ
冴えない今日に飛ばせ
日本中の耳に
ぱっとしないヒットチャートも
重たいニュースも
瞳を閉じて
聞いていられるの

私的 2014 年ベスト 14 曲

音楽があるから走り抜けられた 2014 年でした。特にお世話になった曲を、大みそかにご紹介。ありがとうございました。

 

1. Happy - Pharrell Williams
Written, produced and performed by Pharrell Williams

言うまでもなく、地球規模で「センターピース」となった今年の代表曲。去年の年末に聴いていたときは「ほら、こんなええ曲あるんやで」と話のネタにもできたけど、こんなに広まって、名実ともに普遍性を獲得するとはさすがに予想できなかった。でも『みんな大好きな一曲』っていうのがまだ存在し得るってポジティブに感じられるのは、とってもハッピーなことやと思う。日本でこの曲を聴いていると、この “Happy” っていう音楽が内発的には表現できなかったものだからこそ流行ったという気がするけれど、アメリカやほかの国ではどうなんやろう。すごく自然で素朴な曲であるが故に、日本にはあまり無い音楽であるように思えてしまうのは、少し卑屈かしら。

 

2. Pink or Black featuring 初音ミク - livetune
Lyric: kz / Music: kz / Arrangement: kz

Pink or Black (feat. 初音ミク)

Pink or Black featuring 初音ミク

では上述の ”Happy” と同じような感覚を、いまの日本で音楽として表現すると考えた場合、やっぱこれくらいギア上げやんとあかんよねという一曲。livetune さんの楽曲は何というか、封じ手なんか無い!という感じで、どんな種類の楽曲でも必ず曲の中で「上昇」して「キラキラ」する瞬間がもたらされる。それって、簡単に諦めたりしがちな僕みたいな人間からすると、どんな展開でも必ず一発相手をぶちのめすチャンスを探しているみたいな、彼のメンタリティの表れなのかなぁなんて思ってしまう。

――このアルバムがどれだけの拡がりを持って聴かれていくのか、本当に楽しみにしてます。で、これはほかのインタビューでもしゃべってると思うのでさらりと触れますけど、タイトルには“と金”の意味があると。
そうですね。攻め込んでいきたいなと。と金、好きなんですよ。いちばん弱いやつが、敵陣に切り込んでいったら強いやつになるという、ロマンがあるじゃないですか。少年ジャンプ的な感じというか。しかもメイクマネーという、ヒップホップ・マインドもあるし。

livetune | INTERVIEW | WHAT's IN? WEB

少年ジャンプ的な、ヒップホップ・マインドを持った、メイクマネー。うーん、見習いたい。

 

3. ray featuring Hatsune Miku - BUMP OF CHIKEN
作詞・作曲:藤原基央 / 編曲:BUMP OF CHICKEN / Vocal Programming: livetune

ray

ray featuring Hatsune Miku

そんな livetune さんと、個人的には「ボーカロイド楽曲マインドの故郷」だと考えている BUMP OF CHICKEN のコラボレーションは、本当にしっくり来る一曲。およそ 10 年ぶりくらいに BUMP の楽曲を聴き直した僕の第一印象は「この人たちは一体何年同じことやってるんだ」というものやったけど、裏返すとそれくらい普遍性のあることを継続しているということ。ボーカロイド楽曲の源にある「許しを乞うこと」というテーマは、言わば「調教されなければ何もできない」ボーカロイドにおいては直喩的なんやけど、BUMP がそれを長年標榜し続けるその裏側にはどういうマインドがあるのだろう。

 

4. CLICK - ClariS
作詞・作曲・編曲:kz (livetune)

CLICK

CLICK

ここまで livetune さんを引っ張りまくってきたが、すでに触れた彼の「必ず上昇してキラキラする瞬間」がある楽曲性は、アニメのオープニングテーマとめちゃくちゃ相性が良い。これでもかと期待を煽るこの一曲も、アニメ「ニセコイ」のオープニングテーマにすごくハマっていた。この「上昇してキラキラ」というのはクラブミュージックであることを考えると割と一般的な特徴な訳やけど、それをポップにもアイドルソングにもアニソンにもグリグリ当てはめて自分の世界を作っているのは、他にはなかなか居ないと思う。

 

5. ギミー!レボリューション - 内田真礼
作詞:こだまさおり / 作曲:田淵智也 (UNISON SQUARE GARDEN) / 編曲:やしきん / Guitar & Programming: やしきん (F.M.F) /  Guitar Solo: Tom-H@ck (F.M.F) / Bass: 工藤嶺 (F.M.F) / Piano: 岸田勇気 (F.M.F) / Drums: 山内 "masshoi" 優

ギミー!レボリューション

ギミー!レボリューション

質が高いアニソンはどんどん増えているし、映像を伴って音楽が楽しまれる機会が圧倒的に多くなっている中でそもそもアニメーションと結びついている音楽は、これからもっとその存在を強く大きくしていくと思う。その中でこの曲は、何というか「現代アニソンのテンプレート」みたいなものに近い感覚がある。もはや演歌っぽい気もするんやけど、来て欲しい表現が聴き手の望むタイミングでちゃんと訪れるように設計され尽くしている点がすごい。あくまでもポップでキッチュなギターロック、BPM は 180 でノリノリ、内田真礼の 120 点あげたくなるヴォイス。すごく 2014 な一曲やと思う。

 

6. ウィッチ☆アクティビティ - KMM団
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND / KMM団:倉石たんぽぽ(CV: 井澤詩織)飾鈴(CV: 麻倉もも)宇津木環那(CV: 夏川椎菜)目野輪冥(CV: 飯田友子)桂虎徹(CV: 日岡なつみ)/ フジムラトヲル (b, programming) 松井洋平 (programming, effective sampling) 石川智久 (synthesizer, p, programming) よしうらけんじ (ds, prc, programming, g) 川野勝広 (g, programming) 浅井眞理 (violin) 篠崎ストリングス (strings) 

ウィッチ☆アクティビティ

ウィッチ☆アクティビティ

  • KMM団
  • Anime
  • ¥250

今年はなんだか仕事も忙しくなって、K.U.Z.U. だった去年ほどはアニメを観ていないけど、その中で「これは完成度高い!」となったのが『ウィッチクラフトワークス』という作品。その音楽を担当している TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND という方々が非常に好みで、今年の良い発見のひとつとなった。”EX MACHINA” への楽曲提供や、ランティス関連作品(らき☆すた、日常など)でリミックスを寄せられていて、元のイメージはアンビエントテクノをより聴きやすく落とし込まれている方々という感じだったのが、ウィッチクラフトワークスのサントラを聴いて、その音楽性の幅に驚いた。このアニメは日常系、魔法、ラブコメ、4 コマ漫画ノリなど色んな構成要素が詰め込まれまくっているけど、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND の音楽で「魔女戦争の話である」という点にきちんと引き締められている。しかもこんなにチャーミングなエンディングテーマも作れる。歌詞に出てくる「価値観なんて蜃気楼だよね」というワードに、激しく同意します。

 

7. TOKYO HARBOR featuring KREVA - 赤い公園
Written by 津野米咲, KREVA / Produced by 津野米咲 / Rap & Backing Vocal: KREVA

TOKYO HARBOR (feat. KREVA)

TOKYO HARBOR featuring KREVA

いよいよアニソンやボカロやらばかり聴きがちになってきたけど、今年新しく「女性メンバーが目立つロック」というのを聴くようにもなり、きっかけになったのは「赤い公園KREVA と曲を作った!」というこの一曲だった。この曲は少し特別だとしても、自分が感じている「この時代らしさ」みたいなものをきっと彼女たちはより強く、より凝縮された状態で感じながら生きているんだろうなぁと思う曲が多い。感覚や発想は年代で括れるものだとまでは思わないけど、皆違う情報を摂取しながら異なる趣味趣向を持っているということを当たり前に受け止められる人たちのことは、こうした曲を聴いたりしないとなかなか想像しにくいなぁとは思う。でも、リビドーの本質みたいなものはあまり変わらないのかも、と一方で勝手に安心したりもする。

 

8. とおりゃんせ - パスピエ
Words by 大胡田なつき / Music by 成田ハネダ / Arranged by パスピエ

とおりゃんせ

とおりゃんせ

パスピエも今年になって初めて聴いたバンド。言葉とリズムの選び方にとても遊び心があり、でもきれいにラッピングされたあざとさやノリの良さの中には、その曲のテーマが情感を伴って浮かび上がる仕掛けが垣間見える。いい意味での粗雑さや泥臭さをあまり感じない代わりに、とにかく「巧いなぁ」という感覚が強い音楽を作る人たち。恐るべき若者たちというか、なんというか。

 

9. 全速力 featuring 三浦大知 - KREVA
Words & Music by KREVA, 三浦大知 / Produced by KREVA

全速力 (feat. 三浦大知)

全速力 featuring 三浦大知

  • KREVA
  • Hip Hop/Rap
  • ¥250

そして我が KREVA 御大。再び三浦大知くんとペアを組んで、ベストアルバムの一曲目に持ってきたこの曲は「一体どこまで KREVAKREVA で居るつもりなのだ」と逆に問いかけたくなるくらい、外すことなく躊躇うこと無く、ど真ん中を射貫いてくる一曲になっている。名盤『心臓』以来サンプリングミュージックを封印し、シンセサイザーを主に用いて「いまを生きる人たちが感じる閉塞感」をテーマに作品を作り続けている彼であるが故に、そろそろ “OH YEAH” で感じさせてくれたような、閉塞感を更に掘り進めた先にある「諦めのファンク」みたいなものを積極的に作品にしてほしいなぁと思う。いつまでも待ってます。

 

10. Uptown Funk featuring Bruno Mars - Mark Ronson
(Mark Ronson, Bruno Mars, Philip Lawrence, Jeff Bhasker, Devon Gallaspy & Nicholaus Williams)

Uptown Funk (feat. Bruno Mars)

Uptown Funk featuring Bruno Mars

  • Mark Ronson
  • Pop
  • ¥250

今年の年末のテーマソングは、この一曲。なんというか、解説も言葉もまったく思い浮かばないくらい、聴くとやられる。自分の音楽史(と言うにはあまりにも幼稚だが)は、父親が車で掛けていたソウル・ミュージックがベースになっていて、ファンクやソウルは心の奥から揺さぶられる感覚がある。そういう感覚を真正面から揺らしてくる、カッコいい大人たち。しびれるなぁ。

 

11. ひとり - tofubeats
Written by tofubeats / Track Produced by tofubeats / Vocal: tofubeats

ひとり

ひとり

今年も去年に引き続き、tofubeats くんをいちばん良く聴いた。メジャーデビューに伴って触れられる情報も増えて、彼自身も様々な曲調の作品を、様々な方法で届けてくれていた一年。色々な作品がある中で、自分自身の課題意識というか、気分にすごく波長が合った一曲がこれ。カラッと晴れた冬の空気みたいな明るさを感じさせる、サンバやボサノヴァっぽいパーカッションのリズム。そこに「どうしてもっと踊れないのか」と歌い上げるボーカルが、切なくも力強い。上を見て生きなきゃ、と思えてくる。

 

12. ディスコの神様 featuring 藤井隆 - tofubeats
Written by tofubeats / Track Produced by tofubeats / Vocal: Takashi Fujii / Chorus: Tomoko Ikeda (Shiggy Jr.), Lovely Summer Chan & tofubeats / Additional Arrangement, Guitar: Koji Tsukada (P.A.S.)

そういう彼の「どうして踊れないのか」という憤りや「だからまだ踊らないと」という気概を、目いっぱいの茶目っ気と彼にしかできない音楽へのリスペクトを込めて作った一曲が、藤井隆をフィーチャーしたこの作品。底抜けの明るさがどこまでも悲しくて、でも最高に踊れる一曲に、藤井隆ほど似合う人は居ないと思う。惚れ惚れするくらい隆は説得力のあるディスコマスターだし、そんな彼をきちんとフィーチャーする tofubeats くんは嫉妬するくらいカッコいい。

 

13. M@STERPIECE - 765PRO ALLSTARS
作詩:yura / 作曲:神前暁 / 編曲:神前暁, 高田龍一 / 歌:天海春香(CV: 中村繪里子星井美希(CV: 長谷川明子如月千早(CV: 今井麻美高槻やよい(CV: 仁後真耶子萩原雪歩(CV: 浅倉杏美菊地真(CV: 平田宏美双海亜美/真美(CV: 下田麻美水瀬伊織(CV: 釘宮理恵三浦あずさ(CV: たかはし智秋四条貴音(CV: 原由実我那覇響(CV: 沼倉愛美秋月律子(CV: 若林直美

M@STERPIECE

M@STERPIECE

精神安定剤というか、処方薬のように聴きまくってしまった。http://ch.nicovideo.jp/nevergreen/blomaga/ar543309 というブログに、星野源がラジオ番組内でこの作品を褒めた様子が詳しく書かれているけれど、心から同意する内容。ズルいくらいに真摯な表現が詰まっているゆえに、何度も奮い立たせてもらった一曲。正論を言うときほど、その表現に真摯であるべきだというのは、この曲を通じて改めて自分にとっての重視点だと認識することができた。まぎれもなく、名作です。

 

14. Rather Be featuring Jess Glynne - Clean Bandit
(Jack Patterson, James Napier, Nicole Marshall, Grace Chatto)

Rather Be (feat. Jess Glynne)

Rather Be featuring Jess Glynne

  • Clean Bandit
  • Dance
  • ¥250

With every step we take, Kyoto to The Bay
Strolling so casually
We're different and the same, gave you another name
Switch up the batteries

If you gave me a chance I would take it
It's a shot in the dark but I'll make it
Know with all of your heart, you can't shame me
When I am with you, there's no place I'd rather be

No.1

風景へ目をやり、今がすべてではあれど今だけですべてを解決できるわけもないことを、深く意識する。今自分に課せられている物事へ目を向け、それに力を尽くすことは忘れずとも、自分だけがその解決主体ではないことに思いを馳せる。

逃げることはあまりしないように。でも、一人でパンクするのは、必ず避けるように。

自分の懸案事項は、しかし他の誰かにとっては全くそうではないことも、当たり前に思い出す。それでも自分の一番は自分にしか守れないことを、そっと黙って心に留める。

2014-11-21 13:49:18

ソウウツ

頻度で言うと数日に一回くらい。その数時間くらいの間、なんだか「生きてても良いやんかいさ」という風に思えるタイミングがある。常時こうであれば良いのだけれど、なかなか安定せず、その点については正直苦しい。

美礼先生が人間不信に陥って引きこもった時、ぶっさんは彼女へ「普通」と書いた野球ボールを手渡した。普通というのは、諸要素が奇跡的なバランスで支えあって初めて成り立つ状況な訳やけど、でもそれは外部からは極めてありふれた状態としてしか見えていないということを一方では示唆している。すげぇ。世の中すげぇ、としか思えない。今の僕は、とてもじゃないけど、そんな心境とは程遠い。毎日がソウウツだ。

とてもじゃないけど、僕は誰かに「普通にしていなさい」とは言えない。それは僕がそう言われても、そうできないから。でも、誰かが普通に(僕からはそう見えたということをもって、それは僕にとっては普通と表現することが許されるとして)僕へ投げかけてくれた言葉が、僕にとって「まるで普通じゃない感覚」を沸き立たせてくれたりする。そういうときに、自分の視座って、どうしてこんなに幼くて学びが無いんだろうかと、驚いてしまう。

孤独を知ることは大切やと思うけど、孤独で居ることが価値を持つことは、極めて限定的だと思う。言葉の重みを感じずに発現する人に嫌悪感を持つことはあるけれど、それに押しつぶされて何も言葉を発せない自分は、死人と同じだ。

ポジティブ、めっちゃたいせつ。

2014-11-13 01:19:51

主なき仕事場。心から尊敬する。

【定期ポスト】最近の曲々 (October, 2014)

昨日の自分も思い出せないし、明日の自分も想起できない。毎日毎日、その日の自分と向き合い、ダメになったり、それなりにうまく進められたり、そんなひどく酷い繰り返し。報いなんて求められないけど、せめて後押しは欲しい。そんな自分にとっての、最近の曲々。 

 

恋する感覚 featuring 花澤香菜 - Base Ball Bear
作詞・作曲:小出祐介 / Arranged & Produced by Base Ball Bear

ヴォーカリストに花澤さんを迎え、初々しさと切なさを、季節の情景に乗せて描く一曲。声色の多様さに驚いたという小出さんたちのコメントがあったけれど、少なくともそこから発せられる声々がまるでそのままの彼女の声なのだと説得力を持って感じさせられてしまう技量を、花澤さんから感じ取ってしまう。発している言葉の他にはまるで何も考えていないような、そういう無垢な女の子の声。それが演技であることも、聴いているうちは忘れちゃってるくらい。 

 

ray featuring Hatsune Miku - BUMP OF CHICKEN
作詞・作曲:藤原基央 / 編曲:BUMP OF CHICKEN / Vocal Programming: livetune

ray

ray featuring Hatsune Miku

その声を発している主体(つまりは歌い手となる声)がまなざしを向けている相手(平たく言えば聴き手)に対して等しく「許しを与えている」という、聴き手からすれば甘えにも似た感覚。ボーカロイドの楽曲と一括りに言っても色々あるのは知っているけど、それでもその基礎となった価値観は、ボーカロイド側からの「自分を歌わせてくれているあなたへの恋歌」だったように思う。で、その更に源泉となるような「聴き手に等しく許しを与える」という優しさの価値を、メジャーシーンで明確化させていたのが、今思えば藤原基央だったのではないかと。藤原基央初音ミクの「妙にしっくり来る感じ」は、単に予定調和だったのだろうなと感じながら、しかしそのマッチングが極めて「必然」であるから、何度も聴いてしまう一曲。

 

ray featuring Hatsune Miku (livetune cover) - livetune
Presented by BUMP OF CHICKEN / Lyric, Music: 藤原基央 / Arrangement: livetune

ray -livetune cover- (Presented by BUMP OF CHICKEN) feat. 初音ミク

ray featuring Hatsune Miku (livetune cover)

で、livetune 氏のセルフカバー的な作品がこれなのだけれど、重ねて聴いていくと、むしろ BUMP 的なあざとさ(褒め言葉)が削ぎ落とされて、抑えるべきところは抑え、強調すべきところは強調されて更に聴きこんでしまうループが出来上がる。ひとつめのサビを導入部に持ってきている部分と、それを終えて再び始まるイントロのドラムパターンがかなり好き。

 

TOKYO HARBOR featuring KREVA - 赤い公園
Written by 津野米咲, KREVA / Produced by 津野米咲 / Rap & Backing Vocal: KREVA

TOKYO HARBOR (feat. KREVA)

TOKYO HARBOR featuring KREVA

同じアルバムに入っている "楽しい" みたいな愉快で若々しい楽曲から、"ナンバーシックス" みたいな明るくて死にたくなる曲、それこそ SMAP の "Joy" みたいな大衆曲まで、赤い公園には色々な魅力があるけれど、大人っぽいというか、艶で粋でズルいみたいな曲は新鮮な印象。初の客演として名を連ねている KREVA は、とにかく「手頃な悪さ」と「結果何も言っていない」ラップで曲に花を添えているけれど、でもやっぱり聴きどころはラップより KREVA のコーラスやと思う。

――あとは、今回 KREVA さんのコーラスが入ってるのも大きなポイントですね。

津野 「そう!」

――なかなか聴いたことのない KREVA さんのキーと声色で。

KREVA 「ラップの入ったデモを渡すときに “とにかく俺の声を小さくしてくれ” ってリクエストしたんだよね(笑)。ちょっと恥ずかしかったから」
津野 「でも、逆に私たちはミックスのとき “KREVA さん上げてくださーい”って頼んで(笑)」
KREVA 「あははははは」

インタビュー:特別対談: KREVA×津野米咲(赤い公園) - CDJournal CDJ PUSH

 

20140803 - tofubeats
Written by tofubeats / Track Produced by tofubeats / Vocal, Guitar: tofubeats

20140803

20140803

散々構築してきた流れのラストに、あんまり捻りが加えられてないストレートなトラックを持ってきて、歌うだけ歌って「はい、終わり!」みたいなアルバムが個人的に結構好きなのだけれど、この曲はまさにそういう感じ。音楽最高。