tossy

アヒルが、ガーガー

【定期ポスト】最近の曲々 (September, 2014)

飛び立つ前には、駆け出す前には、まず強く地面を蹴り上げる準備が必要な訳で。そんなことを思いながら平日を過ごし、休日を無駄に捨てる昨今の私を彩る曲々。

 

ハッピーバースデー - 環ROY
(R.Tamaki, K.Miura)

ハッピーバースデー

ハッピーバースデー

ここ数ヶ月ずっとこの曲を聴く度に、ハッとさせられ続けていた。日常的な視点から少しずつ目線を上げていった先に、自分が無意識のうちに見ないようにしていた、もっと言えば無視していた事柄と再会する、あの感じ。そのときに花火みたいに去来する、あの自己嫌悪と誰かを求める人恋しさ。そんな諸々を、ラップとトラックでうまく表現している一曲。弱い自分が、だらしない自分が生きていく上で「突き付ける系の楽曲」というのは常にストックとして保っておかなければならず、今の僕にとってこの曲はそのうちの一つ、という感じ。

 

花ハ踊レヤいろはにほ - チーム "ハナヤマタ"
作詞:畑亜貴 / 作曲・編曲:田中秀和 (MONACA)

花ハ踊レヤいろはにほ

花ハ踊レヤいろはにほ

  • チーム"ハナヤマタ"
  • Anime
  • ¥250

「あらかじめ保証された泡沫の輝き」というのが、部活系アニメ(例えそれが帰宅部をテーマにしていたとしても!)においては絶対的なシートベルトとして機能する訳です。それを「ボーイ・ミーツ・ガール」という形で示したゼロ年代の最高地点が今のところ「涼宮ハルヒの憂鬱 (2006)」であるならば、それ以降散見されるあらゆる試みにおけるうちのひとつである「ガール・ミーツ・ガール」というアプローチを映像的にも音楽的にも巧く表現できているのがこの曲。まぁ、やっぱりアイマス好きとしては、ぬーさまありがとうに尽きるのだけれども…

 

Brand New Days - 花澤香菜
作詞・作曲・編曲:矢野博康

Brand New Days

Brand New Days

  • 花澤 香菜
  • Anime
  • ¥250

冒頭から漂いまくっている「キラキラ」感が、まるで "into the night - Rhymester" のようだ…と思っていたら、それもそのはず、両曲とも手掛けているのは矢野博康さんという驚き。女性声優さんが「口ドラム」と「アイドルラップ」を繰り出すというフェティッシュな内容なはずやのに、花澤さんのクリーンな声質(魅力の内の、ひとつ)と溢れだす「キラキラ」のおかげでとてもスッキリした一曲に。

 

夏は子どもたちのために - y0c1e

あまり SoundCloud の作品は挙げないつもりなんやけど、出色の出来だったためやむを得ず取り上げる一曲。サムネイルの通り、アニメ「のんのんびより」のテーマをベースにした Resort Lover なリミックス。だからこそ「夏は子どもたちのために」というタイトルと、曲最後に引用されるれんちょんとほたるんのやり取りに、死にたくなってしまいます。

 

ON THE AIR - パスピエ
Words by 大胡田なつき / Music by 成田ハネダ / Arranged by パスピエ

ON THE AIR

ON THE AIR

僕みたいな地方出身者にとっては、この曲は「上京物語」としてしか聴くことができない。タクシーの助手席から見える丸の内。御成門から見える東京タワー。節度ある間隔でリズムを刻む皇居ランナー。今日も、東京の街は、綺麗で。

 

△ - パスピエ
Words by 大胡田なつき / Music by 成田ハネダ / Arranged by パスピエ

△

それにいよいよ取り掛からなきゃと思い立つ貴重な瞬間に逡巡する思いの往来を、抽象的な「△」という記号を持ち出して弄ぶ、可愛い一曲。右往左往する感じとか、短絡的思考が止めどなく溢れては消える様子を、メロディーでうまく表現できていると思います。

  

何を言う - 赤い公園
作詞・作曲:津野米咲

何を言う

何を言う

「それは何万語費やすよりも饒舌(宇多丸師匠)」というのがポピュラーミュージックの本懐なのだとすると、これはすごく強度がある一曲。語り過ぎていないし、奏で過ぎていないのに、充分すぎるほど重くて強い。こういう曲を作るときってどういうことがきっかけなのだろうと、素人の私は聴いてみたくなります。