tossy

アヒルが、ガーガー

私的 2016 年ベスト 16 曲

いろいろ書こうと思っていたけれど、上手く言葉が見つからないので、とりあえず曲をピックアップするに留めておこうと思います。気が向いたらコメントを入れようと思います。ちなみに、今年で 4 年目です。

 

 

長く短い祭 ― 椎名林檎
作詞・作編曲:椎名林檎 / 管編曲:村田陽一 / 玉田豊夢 (drums) 鳥越啓介 (bass) ヒイズミマサユ機 (wurlitzer, piano) 西村浩二, 菅坡雅彦 (trumpet) 村田陽一 (trombone) MATARO (percussion) 浮雲 (vox) 椎名林檎 (digital programming)

長く短い祭

長く短い祭

2015 年夏のコカ・コーラキャンペーンソングだったわけだが、聴いていたのは主に冬場のことだった。東京事変の「能動的三分間」があり、この曲があり。でもヒイズミマサユ機氏の演奏も楽しいのはこちらのほう。結果的にこの浮雲長岡亮介)氏のボーカルものは、リオパラリンピック閉会式で披露された「東京は夜の七時 -リオは朝の七時-」へと繋がっていった。刹那の狂気みたいなものを聴く側から引き出してくる感覚は EDM 的なものにも似ていると思うが、林檎嬢はさらに人のどす黒いところまで範疇にしてくるから、毎度やられてしまう。

 

望遠鏡の外の景色 ― ICHIGO ICHIE
作曲:椎名林檎 / 編曲:SOIL&"PIMP"SESSIONS

望遠鏡の外の景色

望遠鏡の外の景色

  • ICHIGO ICHIE
  • Soundtrack
  • ¥250

リオオリンピックおよびパラリンピックの閉会式・フラッグハンドオーバーセレモニーの、いずれでも使用された曲。椎名林檎さんたちが示された表現のように、果たして東京という街が本当に洒落をきかせた場所なのかどうなのかは僕には分からない。けれど、たとえそれがケレン味だったとしても、そういうふうに傾いて良い時期に出くわせたというのは、喜ばしいことだと思わなきゃいけないんやろうなぁと思う。諦めと退屈の夏だったわけだが、でも繋ぎ止められそうなのは、こういう曲に出会えたからやと感謝している一曲。

 

時よ ― 星野源
Music, Lyrics, Produced and Arranged by 星野源 / 星野源 (vocal, guitar, chorus) 河村 "カースケ" 智康 (drums, cowbell) ハマ・オカモト (bass) 石橋英子 (synthesizer, chorus) 長岡亮介 (guitar)

時よ

時よ

少し聴いていなかった星野さんの曲を、2016 年の初めに久々に聴いて、やっぱり良い音楽作るなぁとしみじみ思った一曲。演奏されているメンツもめちゃくちゃ良い。でもこれを聴いていたとき、一年の主役に上り詰めることになろうとは想像もしていなかった。でも彼の曲は、リリースされたからと言って急いで聴く必要もないと思っているので、また自分に馴染む時期が来たら聴いてみようと思う。

 

SAMURAI ― サカモト教授
Music: サカモト教授

SAMURAI

SAMURAI

2016 年前半はずっとゲームのイベントに関する仕事をしていて、そのなかで使うために僕が行き当たったのが、この曲が収録された SKMT というアルバムだった。古今東西さまざまなゲームに触れることができるイベントのエントランスで掛ける曲を、ということで、本当は同じアルバム内の「PLAY THE GAME」を掛けるようにお願いしたはずだった。けれど、いつの間にかこの曲が掛けられるように変わっていた。でも、より高揚感を醸成するのはこの曲の良さで、幼いときに東京ディズニーランドのスペース・マウンテンへ乗り込むときみたいなドキドキ感を思い出せる一曲で印象深い。

 

BABYBABYの夢 ― TANUKI

上の記事を見て初めて知った、フューチャー・ファンクという音楽ジャンル。歌詞だけを読んでも名作な歌謡曲たちを、その内容やメッセージの凄さや貴重さなんて大して気にせず、サンプリング元として乱暴にぶん回している感じが、大変心地良い。そして僕はどうやら、竹内まりやの音楽がとても好きだとも気づいた。

 

アイ MUST GO! ― 天海春香, 如月千早, 星井美希, 島村卯月, 渋谷凛, 本田未央, 春日未来, 最上静香, 伊吹翼 from THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2015
作詞:mft(オノダヒロユキ)/ 作曲:BNSI(中川浩二), 小林啓樹 / 編曲:小林啓樹 / 歌:天海春香(CV: 中村繪里子如月千早(CV: 今井麻美星井美希(CV: 長谷川明子島村卯月(CV: 大橋彩香渋谷凛(CV: 福原綾香本田未央(CV: 原紗友里)春日未来(CV: 山崎はるか)最上静香(CV: 田所あずさ)伊吹翼(CV: Machiko)

残念ながら配信期間が終了しているけれど、記念すべき 10 周年の西武ドームイベントのために書き下ろされた一曲。色々考えて生きるのは難しいし、楽しく感じられない自分に嫌気も差すけれど、とは言え前へ目を向けようと思うときには、正直な音楽というのも必要としてしまう。自分に向けられた曲ではないけど、誰に向けて作られた曲かが分かりやすいというのは、感情移入はしやすい。

どの願いも どの願いも
祈っている 叶えたまえと
願いたちよ ひとつになって
星の輝きを目指せ

こういうくだりは、本当にずるい。M@STERPIECE にも似たラインがあるけど、夢や願いを主語として扱って、それを抱く自らとは切り離して扱うような表現というのは、真摯で良い歌詞だと思う。

 

ザ・ライブ革命でSHOW! (M@STER VERSION) ― 星井美希, 高槻やよい, 菊地真, 双海亜美, 双海真美, 四条貴音
作詞:小金井つくも / 作曲・編曲:BNSI(佐藤貴文)/ Starring by 星井美希(CV: 長谷川明子高槻やよい(CV: 仁後真耶子菊地真(CV: 平田宏美双海亜美/真美(CV: 下田麻美四条貴音(CV: 原由実

何をするともなく過ごしていた夏にプレイした「アイドルマスター プラチナスターズ」からの一曲。各キャラクターの個性を引き出す、アイマスらしいハチャメチャな曲調が、スカで上手に表現されていて、ゲームしながらも何度も聴いた。ゲーム自体は、とにかくキャラクターのビジュアル進化が美しく、動いている様子を見ているだけで楽しい。この曲に関しては下記のプレイ動画にある、美希・千早・あずさ・やよい・雪歩の 5 人がいちばん好きな組み合わせ。

 

Hello Radio ― ザ・プールサイド
作詞・作曲:岸田繁くるり)/ アレンジ:tofubeats / ザ・プールサイド:岸田繁くるり), 大橋卓弥スキマスイッチ), 木村カエラ, KREVA, DEAN FUJIOKA, 藤原さくら, YONCE (Suchmos)

時期限定の音楽だからこれも音源を手に入れるのが難しいけれど、春らしい思いや情景を、豪華なメンバーで作り上げた一曲。パスピエ「ON THE AIR」とか、赤い公園「NOW ON AIR」もそうやけど、ラジオがテーマになっている曲って、ラジオを聴きながら見える情景や、そこにぽわぽわ浮かぶ言葉にならない思念みたいなものを、音楽的・詩的に描けている名曲が多い気がする。

 

FLASH (Album-mix) ― Perfume
Written, Arranged & Produced by YASUTAKA NAKATA (CAPSULE)

FLASH

FLASH

何が良いのかと問われると、Perfume はいい意味で安定しているのが良いと思う。新しいことは引き続きやってくれているし、彼女たちの年齢やキャリアに応じた曲調の変化もあるし。とにかく、継続して、椎名林檎さんが描くやり方とはまた違う、東京や未来に対する表現の公器であり続けてほしいなと応援するばかり。

 

恋をしたのは ― aiko
Written & Words by AIKO / Arranged by Kano Kawashima

恋をしたのは

恋をしたのは

映画 聲の形」の主題歌として書き下ろされた一曲。今年聴いた音楽のなかで、真剣に歌詞について考えたのは、この曲くらいかもしれない。主題歌としても、作品に画竜点睛を与えている感じがしていて、とても好感が持てた。なんというか、すごく視覚的な歌詞だと思うし、それは作品において音や聲がどういう意味を持っているかとちゃんとリンクしていると思う。僕はこの曲を iTunes でダウンロードして聴いたが、残念ながらボーカルの音がちょっと大きすぎた。

 

qut ― 牛尾憲輔
Produced by kensuke ushio

qut

qut

音楽も際立って良くできている「映画 聲の形」のサウンドトラックから一曲。こもった、明瞭じゃない音使いが全編にわたって活用されていて、内向的な衝動・音のない世界の音楽・瞬間瞬間の儚い美しさ、みたいなものがすごくきれいに表現されている。音楽的には、この曲のようなレイ・ハラカミサウンドも上手に取り入れられていて、幅広い表現がなされている。サウンドトラックとしては映画「ソーシャル・ネットワーク」のそれに近しい種類の素晴らしさがあるように感じた。

 

俺の彼女 ― 宇多田ヒカル
Written and Produced by Utada Hikaru

俺の彼女

俺の彼女

アルバム「Fantôme」はやっぱり名盤やと思うけれども、その 2 曲目に収録されているこの曲を初めて聴いたときは、後頭部を鈍器で殴られたような衝撃があった。まるで古くから歌い継がれてきたシャンソンのような凄みのある曲を、軽やかに始まったアルバムの序盤でいきなりぶちかませる宇多田さんは、分かってはいたことやけどやっぱり唯一無二なお方だと痛感させられた。

 

忘却 featuring KOHH ― 宇多田ヒカル
Written by Utada Hikaru, Chiba Yuki / Produced by Utada Hikaru

忘却 (feat. KOHH)

忘却 featuring KOHH

音源だけを聴いていたときはどう受け止めたら良いのか今ひとつピンと来ない曲だったけれど、ネットの生放送番組「30代はほどほど。」で実際にパフォーマンスを観たら、むちゃくちゃカッコいい曲だなと気づけた。KOHH & PUNPEE のお二人が出演したこの番組を観て、是非ともこの二人をどこかまだまだ遠くへと宇多田さんに連れ出してもらいたいと期待してしまうのは、少しでも日本語ラップが好きな人間としてしょうがないか。

 

夜を使いはたして featuring PUNPEE ― STUTS
Music Produced by STUTS / Written by PUNPEE

夜を使いはたして feat. PUNPEE

夜を使いはたして featuring PUNPEE

  • STUTS
  • Hip Hop/Rap
  • ¥250

2016 年は Beats 1 とか YouTube とかで曲を知ることが特に多かったけれど、この曲も YouTube でレコメンドされていて知った。AKAI の MPC1000 を未だ現役でカッコよく叩く STUTS くんという存在にも驚いたし、相変わらず PUNPEE くんのラップは健在で、健康な音楽で良かった。アルバム「Pushin’」自体もガッツリとしたサンプリングミュージックを楽しめて、インスト曲が多いのもあって良く聴いた。

 

SHOPPINGMALL ― tofubeats
Produced by tofubeats

彼が頭を悩ませて作り上げた、凝ったポップミュージックも好きだけれど、このビデオも含めて、まるで冷蔵庫にある具材でチャーハンを作るかのようなフットワークを感じさせる作品というのも、とても好き。きっとそれは、彼の詩的感覚とか言葉選び・音選びをシンプルに楽しめるからだと思う。この曲に関しては、よくぞ「ショッピングモール」という一言を入れてくれたなと感心。その一言だけで曲がグッと締まっている。

 

POSITIVE featuring Dream Ami ― 中田ヤスタカ (CAPSULE) REMIX - tofubeats
Remixed by 中田ヤスタカ (CAPSULE)

そもそも音楽をあまり受け入れられにくく、元気がない時間が多かった 2016 年だったので、ポジティブをもう一回思い出して日々に向かい合えたらなという自戒を込めて。ときどき落ち込んじゃっても、思い通りいかなくても、ポジティブな気持ちで。